分断したOSSコミュニティ

http://d.hatena.ne.jp/kinneko/20050801/p12 経由で
OSSコミュニティの「日本病」
http://slashdot.jp/journal.pl?op=display&uid=3718&id=308726


von_yosukeyan 氏が書いたこのリストはコメントスパム化したりして、ある意味「変な方向で話題」になっている。ご本人も書いている様に、不完全でまとまりがないところもあるが、僕は何か一抹の真実がある様な気がして引っかかっていた。
 

何が引っかかっているかをこの数日考えていたのだが、このリストはすべてが「分断したOSSコミュニティー」についてのものと感じる。さらに、筆者は「日本病」というタイトルからそれを悪いこととしてとらえているようだ。
僕もそれは悪いことと感じる。意気投合する。しかし、このリストに賛同する様な意見は、ネットであまり見ない。なんで?


一つの推測として、多くの人は、分断しているのが普通だしそれで問題ないと思っているとも考えられる。だから、分断してるのを病気と言われても、ってね。von_yosukeyan さんの要求が高すぎるんだよ、と。「病」なんて言うな。

しかし、「病」なんて言うアジテーション的なタイトルを外してみると、リストに書かれたようなOSSコミュニティーの状態は、多くはないものの散見されるものだし、できれば改善する方が良いと思われるものばかりだ。


気になるのが、八田氏の http://japan.linux.com/~mhatta/diary/20050726.html
八田氏は上記のエントリで改善する必要が無いと言う様な意見をも述べている。ひっかかる。たとえば、「亜流故に妙に独自主義」について

いずれにせよ、ちゃんとコストを引き受けるのであれば、独自主義は何の問題もない。

そりゃ、開発者からの視点から見たらそうかもしれないが、ユーザから見たら独自主義は問題大ありだと思うんですけど。そんなコストを好き好んで引き受けた訳ではないし。
全体的に、開発者から見て問題ないからという理由で改善する必要がないといっている様に見える。


一方、von_yosukeyan 氏は、開発者だけでなくもっと広い範囲で「コミュニティー」をとらえているんじゃないかな。僕の想像だけど。


つまり、コミュニティー全体の立場からすると分断は望ましくなく、開発者の立場からすると分断していても構わないということなのか。たしかに、ものを作っている人ってクローズな環境を好むひとは多いよね。


この分断のバランスをとることが「コミュニティー」の肝なんだろう。極端に偏り過ぎると、そのコミュニティーは持続しないのだろう。
僕としては、開発者じゃないので、バランス的にはオープン側の方が好みですけど。じゃあ、どうやってバランスをとるかと言うことについては、ひきつづき考えたい。