設計の2つのフェーズ

「設計」というのを詳しく見てみると、
1) どういうものを作るか
2) 1で決めた内容をどうやってつくるか
という2つのフェーズに分かれると思います。

で、その設計にもとづいて実際につくってみて、それが最初に決めた「どういうものを作るか」に合致していれば良いと言う事になります。

たとえば、家のトイレに棚を作るとします。
「どういうものを作るか」では、トイレの中に納まる大きさで、トイレットペーパーその他でせいぜい10kgが載って、ちょっとカントリーな見かけのもの、なんてのを決めます。
「どうやってつくるか」では、じゃあ詳細な寸法はこれくらいで、棚板は15mm厚の木で、鋳物のこの金物をつかって、石膏ボード固定用のビスを何本使って、、、なんかを決めて行きます。

ただ、「どういうものを作るか」というのは、いわゆる設計者が行うものじゃなかったりします。こんな棚がほしいというのは奥さんが決めて、それを大工さんが設計施工したりとかする場合ですね。
もちろん、建築家がここのトイレにはこんな棚って決めて、自らディテールを設計する場合もあります。

で、プロの大工が作るのか、日曜大工で作るのか知らないけれど、棚が完成します。

トイレの巾ぴったりに棚は収まっているし、本とか重めのものを載せてみてもぐらぐらしないし、どうやらちゃんと出来ているようです。

建築の場合はこのように現物があるので、ある程度は作ったものが設計の「どういうものを作るか」に合致しているかを最後にチェックできます。(ある程度はいったのは、地震のとき震度7でも壊れないビルを作るなんてのについては、出来た後実際に建物を揺すってみるとか出来ないとかいうのを想定してます。)

こういうフェーズをもっと大きい建物全体に適用するとどうなるか?(これはまた今度)