静かなマンション問題

戦後しばらくの集合住宅は、コンクリートだとは言っても、壁も床も薄かったし、窓サッシもちゃちく、遮音性はたいした事なかった。だから、隣に生活音がしないよう皆気をつけてすんでいたし、また少々聞こえたとしてもたいして気にしなかった。

それが、床壁の厚みが増し、防音タイプのフローリングなんてのができて、窓サッシもアルミサッシの丈夫なのが標準となり、マンションの室内はすごく静かになった。道から離れたところに建っている物件なんて、夜になるとコンサートホール並みの静けさだ。

でも、こうなってくると、静かだから余計に、少しの物音が気になってくる。

そういう段階までいくと、少々の防音対策は効果がなくて、まったく聞こえない状態まで持っていかないとだめになる。