細かく見ると、何かつじつまが合わない気もするが、

昨日のエントリに書いたドキュメント、細かく見ると、何かつじつまが合わない気もするが、わかった気になるのは何故だろう。

新旧の緯度経度の差は、距離にして約400m程度は変わります

とか。「新旧の緯度経度は、距離にして約400m程度は変わります」と「差」はいらないよね。これは単純な間違いかな。

うまい構造だと思うのがこちら。

従来の測量は、トランシットを使った地上での測量でしたが、
最近の測量ではGPSやVLBI(超長基線干渉計)など衛星や電波星を使った測量に移行しています。

頭の「従来の測量は」は「測量でした」の主語なんだけど、「最近の測量では」は「では」と付いているので主語でないように見える。「では」を「は」とした方が構造としては綺麗だけれど、「では」とした方が最近を強調していて読みやすい。あと、「従来は…、最近は…」としていないところにも興味深い。

あと全体的に言葉が簡潔だよね。僕だったら「VLBIなどの」としそうだけど、「など」となっている。「その点で」というのも「そういう意味で」なんて書いてしまうかな。

あと受身の文が少ないこともある。著者と読者が行うことは直説法で書いている。

その楕円体を準拠楕円体と呼びます。

「と呼ばれます」とか書いてしまいそう。その他のところも、直説法が多い。基本直説法、どうしてもという所や、絶対の事実だけ受身とするのが良さそうだ。

といいつつ、長い言い回しを使っているところもある。

水平面はどう関係してくるかを次に説明します

「どう関係するかを」ではない。

GPSで測定した時の、基準点の高さは図5での楕円体高となります。

「楕円体高です」ではない。
事実を「です」を使って言い切るのではなく、「くる」「なる」を使って表現しているようだ。そうすると、やさしい言葉使いになるように感じる。